2025年4月7日月曜日

East Char

 同じアメマスでも顔つきや体型だけではなく性格も変わる。


朝一は穏やかな1日目。その後5メートルまで風は強くなった。スカジットラインでの釣り。竿はBanboospey11'6"

FHI375gr/TipINT




2日で70クラス四匹。釣っても釣っても果てのない釣り欲には自分でも呆れてしまう。だって80クラスはまだ釣れなかったからね。



風で煽られた濁りの中、ロングテールのイントルーダーがこんなに効くとは思わなかった。いつまでも発見がある。

思う存分に楽しんだ週末。そしてもうすでにウズウズしている自分がいた。

2025年3月27日木曜日

Spring White spotted char

 春まで竿作り。


Banboospey 11' #56 320-420gr
OPST 325gr Tip100gr
バットが太い分強めに感じるしっかりとした竿になった。




Banboospey 11'6" #678 360-460gr
FHI375gr Tip80gr / ATL ST460gr INT
ミドルセクションからしっかり曲がるが460grでも十分のせられる。アトランのヘッドはもう少し軽いほうが良かったか。スカジットラインはベストマッチ。今までにない飛距離が出た。

久しぶりのコルクグリップの感触。試しに塗った保護剤の違和感がないかを確かめる。特に集成コルクは何もコーティングしないと汚れがすき間に入り込んでしまう。今回は予想よりも自然で使用後の汚れも付きづらかった。


泊まってからの朝一。
フィールドの気温はマイナス5℃
水につけてしまったリールが凍る。ガイドに氷の塊がまとわりつく。風が無くて助かった。



水面に虫はいないが時折水面に波紋をつくる。魚はいるようだ。白っぽいフライをゆったりとした流れに、ライン先行で流す。スイング中に重くなり、首を大きく振った。竿の曲がりも寄せる力も問題なし。この時期ならではの魚を狙い通りに釣ることができ、とても嬉しい一匹となった。

場所を変えて彷徨う。




サイズこそ大きくないけれど諦めながらも釣りをやめられない中での魚は、驚きと気持ちのリフレッシュになった。
その後同じ場所であたりはあったけれど針掛かりせず終了。なぜここに集まっていたのだろうか。
脚元を見ると鮭稚魚の群れが逃げまどっていた。春のアメマスでのマッチ・ザ・ベイトとなったようだ。

2024年12月17日火曜日

リールシート フィラー

 

以前は貸工房で旋盤を借りて加工してた。


現在は自宅でできるようになった。

12mmドリルで穴を開ける。ネジ棒を入れてナットで固定。いきなり削らないでカンナでの荒削りがポイント。




あとはひたすらヤスリで削るだけ。



アメリカ製高級リールシートもピッタリ合います。


下地処理して塗装。


良い模様がでてくるのでワクワクします。
もしかしたら竿作りで一番好きな工程かもしれません。



2024年11月15日金曜日

イントルーダー 

 前は自分で考えたフライなんて釣れたもんじゃなかった。工夫を加えるほどに酷くなる。だからマテリアル含め可能な限りコピーするのがスタイルだった。

それでも自分だけのフライというのが欲しい。よく釣る人や、カッコの良いのを見つけては自分なりにアレンジする。作るほどにフライボックスにはゴミが溜まる。それでも、1級ポイントを前にして、オリジナルを結ぶことはなかった。どうしても魚が欲しかったから。釣れる気がしないオリジナル。

転機になったのは小さなトラウト向けのイントルーダーを結んだとき。動画でみて、マテリアルに多少のアレンジを加えて自分なりに解釈したもの。たまたま結んだそのフライで、その川で始めてLサイズのニジマスを釣ることができた。



なんで釣れたのか分からない。ただ、川の中で足元に流したとき、透けた小魚のように見えたのが印象に残った。


それまでの自分は出来上がった写真の表面をなぞったり、マテリアルや大きさだけが気になっていたかも。ふと気になって実際に水の中ではどうなるのかを考えるようになった。例えばエルクヘアカディスなんて、どう見てもカディスには見えない。でも水面に浮かべて下から見上げた水面の凹み具合なんて、羽を広げたゴミ虫や蛾、何となく虫類全体の浮き方に近く感じる。なぜそのマテリアルを選択するのかが大事ではないか。

マラブーはどうだろう。テールを目一杯長くして泳がせたら、ボディに巻いた重りで上下に振れるとき、それはもう驚くぐらいクネクネとした虫とも小魚とも言えない動きをする。この揺らぎはよくできたゾンカーを泳がせたときにもできる。



スカジットシステムと同時期に広まったイントルーダーは、日本ではトレーラーフックのついたフライの総称のようだった。定義も何もあやふやだったから、マテリアルやパターンなんてカオスそのもの。何となくカッコの良い感じを目指すのだけれども中々釣り場では手が出ない。たまによく釣れると聞いたが、あれだけ巻いたのに釣れることはあまりなかった。大きく、派手なフライは侵略者のごとくマスの本能を刺激する、なんて聞いていたりした。冬のやる気無いマスの鼻面を泳がせて口を使わせる。ヘビーなティップで底スレスレにゆっくりとただよわせる。冬から春に向けたウィンタースチールヘッドのためのフライ。サイズは全長15cmを超えたりする。そんなフライを初夏に虫が出ているときに流してもなかなか難しいだろう。



そのうちチューブフライに巻いてみたり、ゾンカーテープを使ったダーティーホーがでてきたり、トラウト向けに小さくアレンジしたのが出てきたり。日本以外でも相当なアレンジが進んでいるのが動画を中心に確認される。



では基本のルールって何?と聞かれると、そんなものはない。釣れた魚が答えだろう。それでも自分なりの拠り所となるポイントがいくつか固まってきた。

1つは透明感。イントルーダー系を巻く人は皆ショルダーにこだわる。ショルダーにオーストリッチなんか乗せると、傘のように開いて、光に透かしたシルエットをみると内側が透けた小魚のボディに見えなくもない。

もう一つはマテリアルの揺らぎ。ショルダーに支えられたオーストリッチは本流の中で本当によく揺らぐ。ゾンカーテープやマラブーだって上手く取り付ければ絡まずによく揺らぐ。これが魚を誘う。泳がせつつ止まった瞬間にホワっと広がり揺らっとクネる。そんなのが理想かな。

あとは色の組み合わせ。アメマスにはチャートリュースとはいうものの、オリーブだって悪くない。ただ、単色よりは組み合わせのほうがアピール力が高い気がする。川底の石や水色、その日の天気から見て判断することも多い。これからはグレーオリーブの他に明るいピンクや白を積極的に試してみたい。


すでに自分が巻いてるのはイントルーダーなのかダーティーホーなのか分からない。トラウトイントルーダーらしきサイズ一般を称して、「自分だけ釣れるフライ」と言っている。

こんなことに注意をしながらフライを巻くと、現地で結びたくなるフライができる。まるで餌が付いているかのごとくマスが飛びかかってきたりするとたまらない。やはりフライタイイングも魚釣りの一部であり、どうやったら釣れるのかを思案しながら作るのが一番楽しい。

2024年10月24日木曜日

秋の本流

 久しぶりの本流。前日の雨で笹濁りと思ったが、朝一流している間に水が増え、濁りもきつくなる。それでもと岸際を丁寧に流すと、黒のロングテイルイントルーダーに小さい鮭がかかった。これで切り上げて大きく移動。



移動は正解だった。さらに水が減った止水での釣りを楽しむことができた。車中泊で朝は寒くてグズグズしていたら、暗いうちから釣りをしていた人より、すでに何匹も釣れたと聞いた。次の機会があれば早起きしよう。ただ、工事の重機が相当入っていた。来年にはまた風景が変わってしまうのだろう。


その翌週。減水した同じランを足元にきをつけながら丁寧に、オリーブのゾンカーイントルーダーで、釣り下る。偶然にも岸際の岩盤の深みでリトリーブ中に重みを感じられた。秋の貴重な一匹。



あちこち回るも思うようには魚と出会えない。ただ、あまり風もなく、軽いラインで少しだけ思うようなキャストができた。オレンジのイントルーダーを小さなアメマスが咥えてくれて、満足感とともにその日を終えられた。


次の日は別のラインを試してみる。ところが、全くラインが伸びない。右手からの向かい風だ。軽いラインは軽快に釣れる反面、風にはとことん弱いことを再認識した。

一歩進んでニ歩下がる。魚だけではない。短い秋の釣りが名残惜しい週末。

2024年9月17日火曜日

バンブーロッド、スペイロッドのフェルールに関する考察

 スペイロッドを竹竿で作るとき、1番困ったのはフェルール。ニッケルシルバーが定番だが、スペイロッドに合うサイズがなかなか売られていない。売られていてもとても高価なもの。スペイロッドを竹で作るには、フェルールを旋盤で自作するしかないのだろうか?ここから試行錯誤が始まった。

 比較的安価なものとして、最初は真鍮パイプだった。決して悪いものではないが、なんとなくしっくりこない。また、金属との接合部分で折れやすいようだ。



 次はカーボンパイプ。これは中々良かった。ただ、直径の単位が1ミリ単位なのもあり、ブランクを大きく削らないとならず、そのときにできる段差からポキポキ折れる。初期のロッドを友人に試してもらったら、ほぼフェルール周りにトラブルが出る。スペイキャストの捻じれと負荷に耐えられないようだ。また、擦り合わせが難しく、きつくするとブランクからフェルールごと外れてしまうことも。色々補強しながら悩む毎日。



段差が問題ならと、貼り合わせのバンブーフェルールはどうだろうか。これにカーボンファイバーチューブを被せて補強、エポキシで固める。意外なほどに簡単に制作でき、中々のフィット感と強度がある。貼り合わせのトラブルでフェルール自体が折れてしまったことはあるが、ブランク自体は段差をつけないので折れることはない。やり直せば良いこと。ただしフィッティングが難しい。もっと精度の高いフェルール加工ができればよいのだろうが、振り回したときにどうにもフェルールの鳴きが気になる。ついフェルールが長く、太くなってしまう。また、使用中、使用後で微妙にフィッティングが変わる。バンブーという素材の吸湿が鳴きのもとなのだろうか。それでも、もっと精度の高い加工ができて技術的に詰められればバンブーフェルールに課題解決の可能性を感じる。



ここでコンポジットフェルールを試してみた。Bob Clayが紹介していたもので、元のアイデアはTed Barnhartのユニバーサルフェルールにある。これは実際の竿の形状に合わせてカーボンファイバーからフェルールを成形したもの。ブランクの接合にあたって接合部分を削って段差にすることもない。これが素晴らしく良い。スムースさ、強度、フィッティング、スペイキャストへの耐性、考えられる課題を高い次元で解決できる。


左がバンブーフェルール、真ん中がコンポジットフェルール、右がコンポジットのオス部。

自分としてはこれが現在バンブー素材のスペイロッドに一番向いたフェルールと考えている。それでもBobはこのフェルールはドライライン向けとしている。やはり負荷のかかるスカジットラインや重いシンクティップには、スプライスドジョイントを勧めているようだ。スプライスドジョイントの接合性能は抜群だけれども意外なほどに人気が無い。不思議。



まだまだ試行錯誤が続く。悩んだ分だけ、課題の解決が見えたときに達成感も大きい。これら一つ一つが自分のスタイルとなることだろう。バンブースペイのテストと竿作りは続く。


夏の終わり

 今年のカラフトマスは2回とも振られてしまった。



しかし、釣行前週での日帰り、1回目カラフトマス遠征の天気を見ての朝釣行、2回目カラフトマス遠征を1日で切り上げての転進釣行、いずれも良い魚と出会うことができた。

いずれもマラブー黒、2xロングの6番か8番。長いテールでも絡みづらくしてあるので、安心してリトリーブできる。あまり光ったフライには反応が薄かった。

最近、あらためてロールキャスト、ジャンプロールを練習している。スイープの仕方、アンカーの位置、前方への竿先の軌跡など、何度やっても課題が残る。たまにグンと前方に伸びるラインは快感である。何度も繰り返してしまう。



湖底からのガス泡なのか、マスのライズなのか。魚がいると思われる方向へキャスト、期待を持って短めのリトリーブ、間にインターバルをもうけてマスの反応する時間をつくる。

バックハンドでのストロークも練習する。タイミングと竿の軌跡を間違わなければどうにか。スルスルとラインが伸びて、右側から投げ入れられない位置にフライが届いたときに、数回のリトリーブでフッキングした。手前にダッシュしたかと思えば大きく2度ほどジャンプした。サイズからは信じられないファイトはニジマスならではだろう。


元の場所で見つけた沖目のライズの少し手前にフライがおちた。着水して数回のリトリーブで魚が乗った。重量感がズシリとつたわる。この沖目でのヒットが本流でのスイング中の当たりに近く、ドキリとさせる。トルクのあるゆったりとした動きで岸に寄ったかと思えば、急に右斜に走り出す。待ってましたとばかりにリールが悲鳴をあげる。竿は立てずにジャンプさせない。テンションもかけすぎない。少しばかり時間をかけすぎたかもと心配になるが、ソコソコの疲れが見え始めたところで顔を水面から上げさせられた。





何が良かったのか。急に朝の気温が下がったところから昼前に温度が上がって虫が動き始めたからか。期待していたイブニングはイマイチ。残暑残る中で昼間から釣れることが貴重に感じた夏休み。

11ft6inch #67

skgit short 350gr

INT tip 10ft