2024年9月17日火曜日

バンブーロッド、スペイロッドのフェルールに関する考察

 スペイロッドを竹竿で作るとき、1番困ったのはフェルール。ニッケルシルバーが定番だが、スペイロッドに合うサイズがなかなか売られていない。売られていてもとても高価なもの。スペイロッドを竹で作るには、フェルールを旋盤で自作するしかないのだろうか?ここから試行錯誤が始まった。

 比較的安価なものとして、最初は真鍮パイプだった。決して悪いものではないが、なんとなくしっくりこない。また、金属との接合部分で折れやすいようだ。



 次はカーボンパイプ。これは中々良かった。ただ、直径の単位が1ミリ単位なのもあり、ブランクを大きく削らないとならず、そのときにできる段差からポキポキ折れる。初期のロッドを友人に試してもらったら、ほぼフェルール周りにトラブルが出る。スペイキャストの捻じれと負荷に耐えられないようだ。また、擦り合わせが難しく、きつくするとブランクからフェルールごと外れてしまうことも。色々補強しながら悩む毎日。



段差が問題ならと、貼り合わせのバンブーフェルールはどうだろうか。これにカーボンファイバーチューブを被せて補強、エポキシで固める。意外なほどに簡単に制作でき、中々のフィット感と強度がある。貼り合わせのトラブルでフェルール自体が折れてしまったことはあるが、ブランク自体は段差をつけないので折れることはない。やり直せば良いこと。ただしフィッティングが難しい。もっと精度の高いフェルール加工ができればよいのだろうが、振り回したときにどうにもフェルールの鳴きが気になる。ついフェルールが長く、太くなってしまう。また、使用中、使用後で微妙にフィッティングが変わる。バンブーという素材の吸湿が鳴きのもとなのだろうか。それでも、もっと精度の高い加工ができて技術的に詰められればバンブーフェルールに課題解決の可能性を感じる。



ここでコンポジットフェルールを試してみた。Bob Clayが紹介していたもので、元のアイデアはTed Barnhartのユニバーサルフェルールにある。これは実際の竿の形状に合わせてカーボンファイバーからフェルールを成形したもの。ブランクの接合にあたって接合部分を削って段差にすることもない。これが素晴らしく良い。スムースさ、強度、フィッティング、スペイキャストへの耐性、考えられる課題を高い次元で解決できる。


左がバンブーフェルール、真ん中がコンポジットフェルール、右がコンポジットのオス部。

自分としてはこれが現在バンブー素材のスペイロッドに一番向いたフェルールと考えている。それでもBobはこのフェルールはドライライン向けとしている。やはり負荷のかかるスカジットラインや重いシンクティップには、スプライスドジョイントを勧めているようだ。スプライスドジョイントの接合性能は抜群だけれども意外なほどに人気が無い。不思議。



まだまだ試行錯誤が続く。悩んだ分だけ、課題の解決が見えたときに達成感も大きい。これら一つ一つが自分のスタイルとなることだろう。バンブースペイのテストと竿作りは続く。


夏の終わり

 今年のカラフトマスは2回とも振られてしまった。



しかし、釣行前週での日帰り、1回目カラフトマス遠征の天気を見ての朝釣行、2回目カラフトマス遠征を1日で切り上げての転進釣行、いずれも良い魚と出会うことができた。

いずれもマラブー黒、2xロングの6番か8番。長いテールでも絡みづらくしてあるので、安心してリトリーブできる。あまり光ったフライには反応が薄かった。

最近、あらためてロールキャスト、ジャンプロールを練習している。スイープの仕方、アンカーの位置、前方への竿先の軌跡など、何度やっても課題が残る。たまにグンと前方に伸びるラインは快感である。何度も繰り返してしまう。



湖底からのガス泡なのか、マスのライズなのか。魚がいると思われる方向へキャスト、期待を持って短めのリトリーブ、間にインターバルをもうけてマスの反応する時間をつくる。

バックハンドでのストロークも練習する。タイミングと竿の軌跡を間違わなければどうにか。スルスルとラインが伸びて、右側から投げ入れられない位置にフライが届いたときに、数回のリトリーブでフッキングした。手前にダッシュしたかと思えば大きく2度ほどジャンプした。サイズからは信じられないファイトはニジマスならではだろう。


元の場所で見つけた沖目のライズの少し手前にフライがおちた。着水して数回のリトリーブで魚が乗った。重量感がズシリとつたわる。この沖目でのヒットが本流でのスイング中の当たりに近く、ドキリとさせる。トルクのあるゆったりとした動きで岸に寄ったかと思えば、急に右斜に走り出す。待ってましたとばかりにリールが悲鳴をあげる。竿は立てずにジャンプさせない。テンションもかけすぎない。少しばかり時間をかけすぎたかもと心配になるが、ソコソコの疲れが見え始めたところで顔を水面から上げさせられた。





何が良かったのか。急に朝の気温が下がったところから昼前に温度が上がって虫が動き始めたからか。期待していたイブニングはイマイチ。残暑残る中で昼間から釣れることが貴重に感じた夏休み。

11ft6inch #67

skgit short 350gr

INT tip 10ft