2012年10月8日月曜日

Autumn Sky

 ひと雨くるごとに寒さが増す秋。
 川辺のイタドリも枯れた棒となり、下草を漕ぐのも幾分楽になった。




 晴れ間に見える空は高い。時に雨が降る。気温は最高気温が16.6°で最低が3.7°までさがった。どおりで車中泊の寝袋が冷えるわけだ。
 水温は最低13.2度。気圧の谷の通過とはいうものの、散発的な雨は川の水を増やすこともなく濁らせることもない。水温・水量・気温・曇り空時々雨。ニジマス釣りには抜群の条件といってもいいのではないかと期待を高める。こういうときは昼寝も惜しい。



 これでもかと釣り場を渡り歩く。今シーズンでいろいろとポイントを開拓できた。おかげで道中どこのポイントに入ろうか迷う。そしてどうしても悔しい思いをしたポイントを中心に選んでしまう。

 土曜日は一日かけてノーリアクション。ラインを回収しているときにチビ虹に食いつかれたくらい。


 エッグサッキングLOOP LEECHはチビ達になかなか好評だったようだ。


 日曜日には夜にご一緒したかたと釣り場で出会う。そしてこれぞまさしくイントルーダーというフライを見せていただいた。泳ぎがたまらないのと、配色が絶妙。こういった作りでこのマテリアルにしてみたいといったことはすべて盛り込まれている。聞けば前日にいいのを掛けたとのこと。やっぱり上手な方はしっかりと反応があるものだ。うらやましい限り。
 移動した先でもまた夜ご一緒した方と出会う。丁度ポイントから上がったところ。ナイスなサイズの魚との出会いがあったようで、写真を見せていただく。これまた太く元気そうなニジマス。楽しくお話させていただいて、別れを告げてからポイントに入らせてもらった。

  実はどちらのポイントでも一度ずつリールが鳴った。一匹は軽く首を振られてフックアウト。二匹目はフッキングする前に反応が消えた。今シーズン初めてご一緒させていただいた方や、初めてお知り合いになれた方達と過ごす時間はとてもたのしかった。しかし肝心の釣りは極めて不調だった。ここならいけると気持ちを奮い立たせるも、車に戻るときに沈む気持ち。期待が大きい分、へこみも大きい。最初から期待する自分も悪いのだろうけれどもね。期待しないと釣れても楽しくないから。

 何度も流しながら、これだけ釣れないから反応があったときに無邪気に喜べる。
 
 今年はいったい幾度藪こぎしただろうか。ただの土手なのに遭難するんじゃないかと思うことが何度もあった。ときに牛の糞尿の臭いのするドブに飛び降りて、泥の壁に手をかけてよじ上る。あがった先で実は取り付け道があったことを見つけて愕然とする。けもの道を人の歩いた後だと勘違いして猛烈な藪に阻まれる。そんなことばかりをして懲りたのか、いや、今回も同じことをやってしまった。基本一人なので気楽だけれど、情報が少ないので苦労も多い。その分いい流れを見つけた時は格別。そこでいいのが釣れるともっと最高。そんな経験をこの川は何度も味あわせてくれた。
 本当はここの藪を抜けていくと岩盤のポイントがあって、たまに魚が集中しているポイントがあるのは知っている。ただ、ポイント間の距離が長いこと、ひたすら岩盤をひやひやしながら釣り下ること、最後にヘビーな藪こぎをしなきゃいけないので、人が多くてどうしようもないとき以外はいかなくなってしまった。そこを車から横目で見ながら通り過ぎる時、場所を覚えるにつれて楽な方向に流れてしまっている自分に気付く。ああ、これだもの調子が悪いのも当たり前。
 ポイントを変えながら、川に立って水に抗う。この流れをなんとかうまく流してやりたい。もうちょっとだけ奥に。距離をだしながらもしっかりとターンオーバーさせて。根掛かりせず、かつ底をとれるように。ひらひらとフライが魅力的に泳ぐように。
 

 多分、ここ魚がいつも居つくよ、という場所を指定されても、ロールキャストしかできず、川に立ち込めもせず、釣り下って流れを攻略するようなことがなければ、さらには面白くないフライで釣れと言われても自分は満足できない。どうしても魚を掛けたい一心で、一瞬頭にうかんだ場所があったけれどあそこで釣れても面白くないと却下した。

 場所の逡巡、フライに迷い、流れに怯えて杭となる。よれた流れの深みに魚がいると信じて何度もキャストする。そうして釣れた1匹は、サイズなんかじゃない。


 人と出会えて魚と出会えた。いい週末を過ごすことができたと思う。

6 件のコメント:

  1. こんばんわ
    釣りはさておき,皆さんで夜中楽しまれたようで・・・参加したかったなー
    土日ともなるとほとんどのポイントには必ず人がいるので,移動も大変ですよね・・・
    今日行ったポイントもきっとあまり人気がないだろうと思っていったら,昨日まだ大人気のポイントだったようです(笑)
    自分も久しぶりに型を見ることができました。
    ニジマス釣りも後一ヶ月。残りの期間お互いいい釣りができるといいですね(^。^)

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  2. お疲れ様でした。
    いい感じの釣りですね。
    北海道のひとは、みんな、次がお上手です。
    なかなか私は釣れませんwwww

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  3. 110-kenさんこんばんは。
    夜はすっかりみなさんにお世話になってしまいました。すっかり準備されているところにお邪魔したので恐縮してしまいました。みなさんとてもいい人達ばかりでとても楽しかったです。
    とくに日曜日は人がでていましたね。有名なところは対岸からも投げ込まれていましたよ。そんな中よく型をだされたと感心していました。さすがですね。
    あと一カ月もするとアメマスシーズンですね。参加させていただくときにはよろしくお願いします。

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  4. やすこうさんこんばんは。
    いえいえ、自分もなかなか釣れないのですよ。記事にすると釣れてばかりのようですが、無数の屍のような釣れない釣りの上の一匹と言ったところでしょうか。今回は特に厳しいと感じました。次いらっしゃるときにはやすこうさんにも必ずいいのがかかりますよ。
    まずはポイント探しからなので大変なのですが、回数をこなすことでどうにか、そしてそれもまた楽しみのひとつということで。なのでつい写真は載せてしまいますが、苦労した分わかりきっていても川の名前や地名は伏せてしまうんですよね。

    ちなみに自分はたいして上手ではないのですが、やすこうさんがご一緒されている方達は北海道の中でもハイパーエキスパートの人たちばかりだと思いますよ。特に足に魚群探知機がついているとお噂の人もいらっしゃいますので(笑)。

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  5. こんばんは。
    早速リバースで巻いてみました!
    うーん、実に艶かしい動き・・・。鱒よりも巻いた本人が魅了されてしまいました。
    次回お披露目するのが楽しみです。ありがとうございました。

    P.S. あの後、魚出ましたか!! 
     

     

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  6. kaneyasuさんこんばんは。
    さっそく巻かれたのですか。リバースで巻きすぎるとノーマルに戻れなくなりますよ(笑。自分的にはkaneyasuさんのフライに目が釘付けでした。本当にいいフライ巻かれてますよね。
    あのあと次のポイントでどうにか1匹です。サイズは40cmにも満たないサイズでしたが、ジャンプをした元気のいいニジマスでした。なによりもイントルーダーで釣れたということが嬉しかったです。(ちなみにリバースです)

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