2023年6月28日水曜日

道北の初夏

 道中眠い目をこすりながら、仮眠を取りながら川へと向かう。久しぶりの一人キャンプは、夜の宴会も楽しみだったりする。小さなクーラーには牛肉とホルモン、昼の袋麺も買ってしまった。なるべく荷物を少なくしたいのに、コーヒー豆とミルも。



頑張って走ったおかげでまだ暗いうちについた。程なく明け方を迎える。期待感だけは最高、このワクワク感がたまらない。



ここしばらくはシューティングラインが課題だった。本当はサワダのフラットビームスーパーが一番だったのだが、もう販売されていない。手持ちは50mあと二巻。他に使えるラインを探さないといけない。コーティングされたストレートラインは、メンディングしやすいが、飛距離がかなり犠牲になった。短いヘッドをやり投げのように投げるので、なるべく抵抗の少なく、かつ、縒れづらいものがほしい。そんな中でアブソリュートシューティングライン42lbを選択してみたら、思いの外フラットビームに感触が近い。これなら行けるかも。

期待感とは裏腹に上がる気温。なかなか暑い。これでは釣り人もだれてしまいそうだ。

昼から2箇所目のポイントでようやく36cm。期待していた泡中ではなく、その下のランからウグイにまぎれてでてきた。


Madake switch 11ft#567

370grFH

80gr type2



マドラーゾンカーと黒いフライのドロッパー。よく効くのはニジマスだけではなくウグイにも。ダブルヒットと、キャストするときに飛びつくのだけはやめてほしいものだ。




2023年6月19日月曜日

魔法が切れた

 先週までの絶好調はどこへいったのだろうか。


朝からエスコートに徹し、自分の釣りは二の次にした。先行させてキャストする場所を教えながら。2箇所目、3箇所目のところで自分にもグンと大きく引き込むあたりがあったがのらなかった。竹竿は当たったら必ずのる伝説は、儚くも崩れてしまった。まあ、そんなことがあったら本流フライマンはみんなバンブーロッドで釣りをすることだろう。

その分、彼女には大きな魚が3匹。狙う先を教えていた自分も面目躍如、エスコートした甲斐があったというものだ。季節の魚とはいえ、自分で取り込んだ魚は知床のカラフトマス以上に記憶に残っただろう。自分は釣れなくても、彼女が釣れてくれれば今回は成功なんだ、と呪文のように言い聞かせる自分がいた。


いや、やっぱり釣りたい。


キャンプ場で焼肉をしてたら突然に飛び込んできたイトトンボ。触れたのも間近でみたのも初めてだった。夕暮れに透けるトンボの美しさに心奪われた。ラッピングのトリムにも似た模様、次回はこれをモチーフにしてみようか。

2023年6月11日日曜日

バンブーマジック

 別に釣りが上手くなったとかではない。相変わらずキャストは下手だし、よくランニングラインはもつれるし、川歩きもヨタヨタだ。しかしながら今年は何故か良く釣れる。嫌味なほどに不思議である。当人もわからないからたちが悪い。2週続けて出来過ぎだ。こうなって来るとグズついた天気も一日中夕マヅメに感じるし、釣れてももっと釣りたくなる。どこへ行っても期待感しかないから、いつまでも釣りをしたくなる。往復600k弱の日帰りが苦にならなくなる、遂に病気となったようだ。

Madake switch 11ft #567

airflo FIST510grを15ft370grにカット

type2ティップ 80gr



ヒゲナガ時期でもあり表層を流したいところ、あえてゆっくり流れるようにシンキング系のラインを選択。流れの中ではこれでもそんなに沈んでいないはず。

本当に理由がわからないから、ある日またスランプとなって釣れなくなる可能性が大きい。あれだけ当たっていたパチンコが急に当たらなくなることはよくある。釣りは自らの振る舞いが影響するところが大きいだろうから、自分宛に備忘録を用意しよう。


人があまり入っていない、もしくは時間がたった場所を選ぶ

ポイント全体をみまわしてどこが核心ポイントかを大まかに把握する、その上から流す



一投目は足元から。ラインを伸ばしながら。

立ち位置をキャストごとにかえる。流し方を微妙にかえる。

無闇に腰までウェーディングしない 



軽目のライン選択と、キャスト時の水面インパクトを控えめにする

キャストはフライまでのターンオーバーを目指す

その日の付き場となる流速、フライの色の傾向を探す

釣れるまで釣る、釣れても休まない、もう一匹がそばにいる。

ときに気を紛らわせるために空を見る

そして釣れるまで自分の信じた竿を使うこと。

それがバンブーロッドであればなおよろしい。



2023年6月4日日曜日

5本目の真竹スイッチロッド

 11ft #567 Madake switch rod 



ハーディwyeのテーパーを参考に。

今回は補強にグラスファイバーテープを巻いた。空気に触れると一回使い切りのテープだったのでもう使うことはないでしょう。


ガイドはスネークブランド、ストリッピングガイドはミルドラムと、アメリカ製をあしらってみた。リールシートは花梨バール、スタビライズド加工済。カーボンフェルールの摺合せも上手く行った。


ラッピングは50番シルク。エポキシ一度塗りのあとにニス4回で薄めにして糸目を残す。この仕様での強度をテストしようか。

できたばかりのこの竿を持って週末の本流に向かった。


325grのコマンドヘッドだと多少軽く感じるも良く飛び思わずニヤけてしまう。ラインスピードが遅くなりがちなのでモノフィラメントのランニングラインのほうが軽快だった。

2箇所目のポイントでは375grのFIゲームチェンジャーヘッドを選択。ティップはタイプ2-4、ドロッパーにはマドラーミノーと黒いラーバパターンを結ぶ。

足元の深み、ほとんどヘッドだけの一投目できた。


深みの中を首振りながら何度も走る元気なMサイズ。初めての魚としては上々。

入魂という言葉はあまり好きではないけれど、竿が魚をかけることを覚える、というのはあるような気がする。良く覚えて、また魚を呼んできてほしいものだ。

この竿は本当にいいヤツだと感謝する。ほどなくなかなか厳しいこの本流で、もう一尾を呼んできてくれた。


スイング中にゴンときて水面を荒らす。これだけでニジマスを確信できる。マドラーミノーを咥えたM45。竿づくりが報われた瞬間だった。

キャスト、スイング、ファイトどれも問題なし。今年はこの竿を使い倒してみよう。


2023年6月1日木曜日

時間

 東京で本当に偶然一日時間が空いたので、加須のレオンさんまで足を伸ばしてみた。


 昨年2.5インチのプレーニングフォームやスタンレーのカンナなどを購入させていただく。その以前より、いつかはレオンさんに訪問したいと思っていたのだが、土日のみ営業とホームページにはある。そこをダメ元でメールしてみたら、訪問大丈夫とのこと。やった。ようやくひとつ夢が叶う。

こじんまりと、そしてキレイに片付けられた店内は、バンブーロッドで埋め尽くされており、カウンタのショーケースには自作バーミンガムスタイルのリールがズラリ。スペイロッドだけでも10本ぐらいあるのではないでしょうか。

店主の三浦さんは、話好きの本当に気さくな方で、おかげで気兼ねなく聞きたいことを聞くことができた。

開口一番「フライフィッシング暦50年」といわれたけれど、何も気取るところがない。スプライト゚ジョイント作成のコツや、テーパーについてなど。これだけ精密にやられる方が、「テーパーは数値だけでなく感性を働かせないといつまでもわからないよ」と、あっさり。スプライスについても「4度」のひとこと。確かにこの一言でピンと来なければ作れないだろう。ジョイント部が軽いスウェル上になっている理由も聞いた。ただ、スプライスは人気がない。でも性能は抜群とお墨付きをもらった。

ハーディのwyeのテーパーについても教えてもらう。ティップがヘビィすぎるからバットが柔く感じる、など。だからティップをもう少しだけ細くすると良くなるよと、自分がこれから知るであろうことを全て知っている感じ。



旋盤についても聞いてみた。リールやるならフライス盤まであると良いとのことだけど、お値段は70万円を超える。これをどう思うか。

「どんなにキズだらけのボロでも自分で作った物が一番。作るのも釣りそっちのけになりかねないぐらいだから、凄く楽しいよ。本当に長く楽しめるから」

嗚呼、そうですよね、とても共感できる。自分で竿作り始めて以来、他の人の竿をほとんど使っていない。そしてリールも自分だけを探している。




店主のプレーニングフォームは自作。しかしこのあともう作らない、みたいなコメントがあった。作る機械がへたって来ているからとのこと。いえいえ、これからも末永くお願いしたいのですが。


「物づくりは時間が形になる」

この一言で来た甲斐があった。焦らずゆっくり時間をかけて楽しみたいと強く思った。