恥ずかしながらバンブーロッドで魚を釣ったことはありません。
ゆっくりとしたラインスピードとか、バンブーロッド独特のキャストフィールとか、パラボリックなアクションとか、魚をかけてからの繊細な感触とか、あげたら切りがないほど賛辞は続く。しかしながら、そのどれも未体験なのに竿を作りはじめた。しかもいきなりスイッチロッド。
つくってから、バンブーという素材の魅力に気づいた。グラファイトではなかったこととして、ブランクをいつまでもいじっていたくなること。変態か?自分。元々銘木で何かを作るのが好きだったが、木目とはまた違う竹の趣、模様。加工過程で表情を変える面白さ。これはグラファイトのブランクではなかった。
ようやく春になり、仕事のついでに川で竿を振る機会があったのだけれども、生憎急な暖気で雪代大増水中。危うく入水自殺になりかねないポイントを外しながら、僅かながら魚の気配を感じながらポイントを彷徨う。多少の風のなかでもキャストフィールは上々。これなら十分釣りになる。そして思っていたよりも重さは感じない。竿について感想を思案していたとき根掛かりのような重みが乗った。
こいつを寄せられたのなら、海のカラフトでも使えそう。いや、つかわないけどね。
使用感、釣り味は正直わからない。ただ、自分で作った竿を振れる喜びは何ものにもかえがたい。そしてわからないからこそ、もう少し良い竿を作れるはず、もう少しティップを繊細に、グリップはもう少し長くても、とか色々欲が出てきた。
ああ、これがバンブービルディング沼の始まりか。
この沼に頭まで浸かろうと決意した次第。
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