2013年1月31日木曜日

Mt.Cook

  新しい仕事にはまだ慣れることができないけれど、少しばかり休みをもらったので更新してみる。ブログのページビュー統計を見てみたら、NZからもアクセスがあるようだ。ちょっとばかり嬉しかった。

 大雨の夜。前日の昼過ぎから続く雷鳴。南島の下1/3が厚い雲に覆われていたのを天気予報で確認した。でも翌日は綺麗に晴れることもわかっていた。こういうとき、ガイドでもいると釣りができる場所をみつけてもらえるんだろうけれども一人だったので、せっかくの天気を利用して観光に行くことにした。
 行く途中でトワイゼル川を眺めてみても泥濁り。ああ、やっぱりと思いながら、初日にいい思いができたテカポ運河ならと、立ち寄ってみることにした。


 水質はクリア。風もそこそこ。よし!釣りになる!と観光に行く予定を変更してサイトフィッシング。
 魚に見つけられる前に見つけて姿を見つけられないように隠れること、あらかじめティペットの長さやリールからだすラインの長さを計算しておいて、どのあたりにフライを落とすかを決めておくこと。コツを掴んでからはかなりの確率でキャッチすることができた。



 銀色地に斑点のはっきりしたきれいな魚。




 黄色が強く好きなタイプの体色。




  岸際20cmぐらいを回遊するこの魚の目の前に落としたビートルが、ごく自然にカプリと咥えられたときは猛烈に感動した。




 引きも強く元気がいい。他の釣り場がダメでも釣りになる場所を探すことができたこと、運河とはいえサイトフィッシングを楽しむことができたこと。ドライフライだって咥えさせることができたこと。これまでの不振はいったいなんだったのかと思うぐらいうまくはまった。やっぱり釣りは釣れなきゃ楽しくない。そして振り返るとこの風景があった。


 
 ちなみに、自分が着いた日から、施設建造のために運河沿いの道路は通行禁止となっていた。来年の1月30日までは徒歩でしか探ることができない。もし行くとしたら、プカキ湖側のサーモンファームへは車でアクセスできるので、そこから徒歩で釣りあがるのが一番だと思う。


 気持ちよく午前中の釣りを終えて、予定通りMt.Cookへ。年間の半分以上が雨というエリアだけれど、晴れた日を狙って行ったので快晴だった。

 インフォメーションセンターより。真ん中の遠くに見える山がNZ最高峰のMt.Cook。ここに一度きてみたかった。






 変わり続ける地形の変化についての案内版が印象にのこった。

 「変わり続ける地形の地鳴りや衝突」

 聞いてごらん。
 岩や雪が山の上から転がり落ちるのを聞くことができるだろうか?
 その水の流れは?
 それは変化の音・・・氷河が後退し、水と氷によって山が削り取られる変化の音なのである。

 変化の兆しはあなたのまわりにもある。
 100年前はミューラー氷河でこの谷は埋め尽くされていた。
 ここのそばから氷河の上に乗ることができたかもしれない。
 今日氷河は谷の上のほうまで隠れてしまった。
 奥のほうにある氷河は湖の遠くの端のほうにみることができる。
 氷河によって落とされた岩の破片の堆積は氷河の過去の広がりを示している。

 よく温暖化とは聞くけれど、実際に氷河が後退していく様を目の当たりにするとなんとも言えない気持ちになった。まさしく今自分たちが変化の中にいるのだということを実感した。環境問題は決して人ごとなんかではないと感じざるをえなかった。


 2つあるつり橋のうち第2のつり橋は修理中で途中まで。のんびり歩くと往復で2時間以上かかってしまった。この景色の中歩くことができたことに一人感動していたから。


 釣りのない登山やトレッキングなんて考えもしなかった自分だけれど、こういった抜群の風景の中はじめてトレッキングの良さをかみしめることができた。もう二度とここにくることはない。しかしおかげで北海道に戻ってからもトレッキングをしてみたいと感じたのはよかった。あまり釣りの調子は良くなかったけれど、この瞬間心の底からNZに来てよかったと思う。釣れずにさまよい歩く面白くない日は、今日のような日の感動を引き立てるためにあるのであり、決して無駄な日ではなかった。面白い日ばかりだとこの気持ちは味わえなかったのだろう。これからも続くであろう毎日、嫌なことがあったときには思い出したい一日だった。

4 件のコメント:

  1. すばらしい!

    サイトフィッシングにマウントクック!!!

    以前いったときは、テカポ運河の一部しかいけませんでした。
    勝手も解らず、釣りにならず・・・・

    もっと、ガッツを出して入念な調査をしていけばよかった!

    また、再びチャレンジしてみたい気になりました。

    ほんとにいい感じだと思いますwww

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  2. やすこうさんこんばんは。
    ありがとうございます。
    本当にいい感じでした(笑)。写真を撮るのが苦手な自分でもどこをどう写しても絵になるマウントクックは感動しました。
    今回の旅行中は残念な天候だったので、下調べしていた川のほとんどが釣りにならない状況でしたが、行く前にやすこうさんがおっしゃっていたとおり楽しいことは間違いありませんでした。それにしても一人で海外に行くことはかなり緊張したのですが、いつも一人旅をされているやすこうさんは凄い方だなと現地にて思い出しました。できればガイドでも頼めれば良かったのですが、まったくの一人旅もなかなか思い出深いものなるものですね。

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  3. エンゴサク2013年2月9日 20:48

    こんばんは!
    すっかりご無沙汰していました。
    それにしても、まさに絵に描いたような風景ですね~スゴイ!
    魚も銀ブラと黄ブラと、きれいですね。
    青空とブラウン!ワンダフォー!

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  4. エンゴサクさんこんばんは。
    本当に素晴らしい風景でした。そしてその価値を国をあげて認めて大事にする姿勢がとても感じられたことがよかったです。北海道にもいいところいっぱいあるのだけれどもと羨ましく思った次第です。
    ブラウンはあわよくばエンゴサクさんのサイズに・・・・と思っていたのですが(笑)。こればかりは今年の課題かもしれません。

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