2021年10月6日水曜日

流れは変わる

 ある時、テレビで大きなマスをかけていたポイントをさぐりあてた。

2日かけてようやく一匹の番組だったけど、そのマスの素晴らしさには目をみはった。早速グーグルマップからあたりをつけて、たまたま入ってみたら的中。雪が積もる前に二回程通ったかな?まあ、当然釣れなかった。春先に一回行ってみたけれど、先行の人が多く、やはりマスにはであえなかったことを思い出す。



午前中は二ヶ所目のポイントをしつこく流してようやく一匹。昼ちょうどぐらいなので焦ることはないはずが、雨がぱらついたので、濁ってはと釣り下るのに気が急く。川とのリズムがずれているのを感じる。焦りすぎたのか、なかなか魚は出なかった。雨をいやがりながらも、あきらめながら、二回目に流してフライをかえたあとにようやくぐんときた。最近、自分が急に釣りが上手くなったのでは?と胸をはりたくなる。さっきまで鬱々としてたはずなのに、自信を取り戻してニヤニヤしてしまうのが無性に嫌味に感じて照れてしまう。

午後にあのテレビのポイントへ行ってみた。

入って場所を間違ったかと目を疑う。驚くほど流れが変わっていた。浅い?分流が変化している。もう全く別の流れになっていた。
せっかく見つけたポイントが潰れてしまっている。この喪失感はなんだろう。いつかあの釣り人のように大きなマスを手にすると心にきめていたからか?
浅い早い流れに落胆する気持ちをおさえながら、それでも深みを探して釣り下ってみた。


釣り下らないとわからなかった。夕暮れ前の青空の下、まるで行ったことのないカナダの川のような風景が広がっていた。
こんなところがあるんだ。しばらく見とれてしまった。
川の深みとよれ具合も十分。この風景に息をのむ。
そして次こそはと期待して竿をふる。

やはり釣れなかった。
僅かな自信も消えてしまった。
でも、何とも言えない秋の釣りを終えた充足感に包まれた。
また来よう。川の流れは変わっても、また新しい流れができていたから。


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