微風の中ゆったりと流れる水面に、ポワーンとライズ、たまに食いあげるようなモジリ。1年間夢見ていた風景がそのまま広がっているのを見て、今日はもらった、と確信する。
このフィールドに、ふたたび立つことができたことに心から感謝する。
シーズンオフに巻きためたフライ。何色が良いのだろう。明るい天気ならチャートリュースがいいのだろうか。シーズン初期のまだすれていないときには特に有効だろう。想像の中で巻き上げたフライにはまだまだ自信が持てない。
妄想にあったフライを現実のものとする。最初に結んだ大きめのフライで、1キャスト1ヒットとなった。こういう釣りがしたかったんだと、興奮しながら釣り続ける。なんだか自分だけのヒットフライを見つけた気分だ。これで今年の一軍フライとなった。
太い体、大きな尾びれ。遠投してたるみをとったあと、スイング中にガツンとひったくるのもあれば、小刻みな早めのリトリーブを追いかける様に反応する魚もいる。ラインが流れに入り込み、流れの重さを感じられるところの反応がよい。
二日目は竿が立てられなくなるぐらいの風の中。だんだんと強くなる風の中、7Mぐらいの風。それでもフォローの風向きを利用したキャストで十分釣りになった。420grと、重めのスカジットラインが良かったのかも。竹竿には悪いのだけれど、竹竿の虐待検査となった。これだけ重いラインを風の中で振り回してもバンブーフェルールは破断することがなかった。
腕や肩が痛くなり、手もパンパンに浮腫む。身体のあちこちが痛むなか、今回の釣りを思い出しながら、すぐにでもまた釣りに行きたくなる。竿を作りたくなる。フライを巻きたくなる。心から楽しめた釣り旅だった。
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