2012年9月24日月曜日

Blue sky, Brown Olive back

 残暑が厳しかった今年の夏。ちょうど秋に切り替わる狭間だったのだろう。暑くもなく寒くもなく。


 浜益川に向かうか、最近あまりいい話を聞かない北の川へ向かうか、直前の夕方まで迷った。しばらく赤いフライしか巻いていないようでいて、夜な夜な北の川用のフライを巻きためていた。夏を過ぎたあたりから特にオレンジに攻撃的になるんだよと、自分を納得させながら。やっぱり本流で自分を試してみたくなってハンドルを北に切った。

 朝一のポイントではまだ新しいフライを信じ切れず、いつものビーズヘッドを結ぶ。これがまたよく当たるのだからやめられない。ちょこちょこと小さな虹鱒にいたずらされながら、小さいながらに1匹をかける。よし、これで十分だ。あとはデカイフライでいきましょう、と気持ちを切り替える。30cmに満たないサイズだけれども、流れの中でかかると一瞬ドキリとさせられる。これが50アップだったらいったいどうなるのだろう・・・。デカイフライにはデカイ魚が似合うはず。巻きためたイントルーダーやダーティーホーの出番だ。まだ薄暗い雰囲気の中フライをチェンジする。
 選択したフライはアピール力抜群。広い流れの中遠くからでも十分みつけてくれるはず。もしかしたらアピールしすぎて逃げてしまうかも、と一抹の不安をいだきながらお気に入りの流れ、そして新しいポイントを流してみる。途中の新規開拓のポイント、瀬がひらけるところの緩い流れを釣り下っていたら、もう少し、もう少しと気がつくと胸の位置までウェーディングしてしまっていた。ふと岸際にあがろうとするともっと深くえぐれている。あぶない。危うく入水自殺となってしまうところだった。銀色の遡上魚ッぽい尾びれが三角の魚を目の前で見てしまって興奮していたからかもしれない。


 次のポイントで友人が魚を掛けているところに出会って、ポイントを前にレクチャーいただく。

 「滑るので気をつけて」
 とはいわれたものの、流れが急になったところにひざ上まで立っただけで、生まれたての小鹿のような足どりになってしまった。そのままキャストし続けるというのだから、冷や汗の連続。それでももう一歩前へと行きたくなる流れ。ここだけ雰囲気が違う。自分に結果がでなかったのはたまたまだろうからまた次回試してみようかと思う。

 その後、ポイントを変えて60アップがでた。・・・・メスの鮭だったけれども。


 予想以上に酔っぱらってしまった夜。次の日、前日から決めていたポイントへ。フライはもちろんダーティーホーオレンジ。一投目から20cmちょっとの虹鱒がかかる。ちょうどこのフライを待ちかまえていたかのような出方はすこぶる気分がいい。スカジットインターにちょっと強めの流れだからとType6のティップを3m。ティペットは7ftぐらいの2.5号フロロで。ときにストラクチャーが多くフライを何個かロストした。岸際を釣り下っていくと、無数のウグイの稚魚がいる。この稚魚を狙って大きな虹鱒は身をひそめていないだろうか、と期待を高める。 
 岸際が反転流になったところでフライを沈めすぎてロストしてしまう。ちょっと下に下って反転流と本筋が溶け込むあたり。オレンジ黒、この日一番期待のフライをキャストした。



 ちょっとミスキャストだったかな、とフライを回収。無心でランニングラインをたぐったとき、根がかりした、のかな、って首振ってるよ!ついに念願のグッドサイズがかかった。しかも1投目。ランニングラインを処理しようとリールに手をかけるまでもなく、すぐに魚にラインをもっていかれてしまった。そのままリールファイトに持ち込む。
 魚の姿は見えない。リトリーブ中だったのでフッキングが心配だ。首を振るたびに気持ちが高ぶる。魚は動く。しかし、こちらの意思ではなく、魚の意思で。つっぱしるというよりも、ズンズンともっていく感じ。正直、もしかしたら鮭かもしれないというのが感想。たまに水面をバシャバシャと割るが、銀ピカではない。でももしかしたら茶色っぽくない?もしこれが虹鱒なら完全なトロフィーサイズ。


 茶色く太い体は最初イトウかと思った。ファイトがあまりにも鈍重だったので。どうにかネットイン出来た時には虹鱒だと確信。体中が喜びで震えた。


 オスの60。メジャーは持ち合わせていなかったけれど、いつかはこの手に60cmの虹鱒を掬いあげることを夢見て作ったネットのサイズが60cm。ネットのサイズと魚のサイズがジャストフィットした。


 太い体、余力を残した大きな目、しゃくれたアゴ。そのすべてに憧れていた。まさか自分にこんなのが釣れるとは思いもしなかった。ちょうどしゃくれた下あごの先端に6号の管付きチヌバリが刺さっていた。この魚体だったからフッキングとなったのだろう。針をはずして流れにたたせただけで悠然と戻って行った。多分余力を相当残して自分の写真撮影に付き合ってくれたのだと思う。


 しかしまあ、よくもこんなフライでつれたものだと感心してしまう。今回の釣行によって、大きなフライで大きな魚を釣るという目標は達成してしまった。ではもう満足したのかと自問する。いや、もう一匹釣ってみたいんだ、と心の底から願ってしまった日曜日。

8 件のコメント:

  1. こんばんわ!

    毎回コンスタントに釣っていますねー!!
    うらやましい限りです(^。^)
    自分はどうも秋のニジマス釣りが苦手なようでして・・・・
    来週はようやく釣りに行けそうなのでどうにか苦手を克服したいところなんですがね(笑)

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  2. 110-kenさんこんにちは。
    いえいえ、釣れていないときはアップしていないだけで(笑)。
    小さいのにはよく好かれるのですけどね。
    今回いろいろ行ってみて、秋はタイミングと運だと思いました。自分のは釣ったよいうよりタマタマですから。
    今週末の家族サービスを切り抜けて、10月1週目にはまた行きますよ!
    110-kenさんにもいいのがかかりますように。

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  3. yusukeさん、こんにちは。
    週末はお疲れ様でした。
    なかなかイケメンのかっこいいレインボーですね。
    尾びれの感じからも、なかなかのファイターだったんじゃないですか。
    おめでとうございます。
    厳しい状況のなか、結果を出されていて流石です。
    羨ましい限りです。
    夜の宴も楽しかったですね。
    知床に続いて、今回も記憶なくなりかけてたのではないですか。(笑)

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  4. moolyさんこんにちは。
    ありがとうございます。いつかはこのサイズと夢見ていましたがおかげさまで無事出会うことができました。何度もフックアウトされた経験でへこたれずに通ったのがよかったのかもしれません。本当に運が良かったと思います。

    前の日のお酒は・・・・。とても楽しくてあのまま飲み続けていたら次の日は釣りどころか帰ることができなかったと思います。釣りのことをお話できるとなると嬉しくなってしまってつい前のめりになって飲んでしまいますので、次回は少し冷静に飲めるといいのですが。

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  5. エンゴサク2012年9月26日 21:55

    yusukeさん、こんばんは!
    やりましたね~!!
    これぞ!本流住まいの男前レインボーっていう容姿ですね。
    北を選んで正解でしたね。

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  6. エンゴサクさんこんばんは。
    ありがとうございます。
    結構つれたかのように見えますが、実際は2日頑張ってようやくでした。ハママスでビックサイズとのファイト、とくにランディングの経験を積めたのが良かったかも知れません。多少落ち着いて対処できました。
    余りにも出来すぎなので、もうそろそろ運も尽きるのではとハラハラする毎日です。

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